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いつ、どこで、だれが、どうやって。エシカル消費の考え方
エシカル消費とは?
あなたは「エシカル」という言葉を聞いたことがありますか?
「エシカル消費」 とは、直訳すると「倫理的な消費」という意味です。それだけでは、少し難しいですよね。
しかし、消費はあなたの暮らしの一部です。買い物をしたり、食事をしたり、水や電気を使う。毎日の生活のことです。
「エシカル消費」とは、より良い社会に向けた、人や社会や環境に配慮した消費活動のことです。
とりわけ、私たちが住んでいる日本でも、大きな社会変化の中で、エシカルな考え方に基づく消費「エシカル消費」が注目され始めています。
まだピンと来ないかもしれません。
では、あなたは買い物で物を選ぶときに、何を気にして買い物をしていますか?
価格、品質、安全・安心性、ブランド価値、生産者のバックグラウンドなど様々あると思いますが、
あなたが選ぶそのもので、世界の未来を変える可能性を秘めているとしたら?
物を選ぶときにちょっと考えてみましょう。それが「エルシカ消費」の考え方です。
ものを選ぶ責任って何だろう
あなたが購入したものが、途上国の弱い立場の生産者や児童労働で搾取された原料が使われている。または、自然環境を著しく破壊したうえの商品だったと知ったらあなたはどう思いますか。
私たちが知らず知らずのうちに、安いから、便利だからといった理由で購入した商品は、こうした問題の上に成り立っている可能性があるのです。
先進国の大量生産・大量消費に始まったこうした問題は、貧困や人権問題、気候変動といった様々な地球規模の問題を生み出しました。
私たちは自ら意識を変えて知るということをしなければ、問題は一向に解決しないのです。『いつ、どこで、だれが、どうやって』作られたものなのか知ることがサスティナブルな地球になる第一歩なのです。
大量生産・大量消費・大量廃棄の生活を見直す
アメリカ型の大量消費・大量破棄の時代は終わった
アメリカでは第一次世界大戦後に景気回復とマスメディアの発達により、人々の購買意欲が掻き立てられ、大量生産・大量消費の社会が始まったとされています。
日本でも1960年代の高度経済成長期から同じような流れが起こったとされています。昨今、問題視されている一つに、アパレル業界での大量生産・大量廃棄の問題が挙げられます。ファストファッションと呼ばれる最先端の流行をいち早く取入れ、安く提供し消費者行動を加速させていくビジネスです。
安価のため消費者も手を出しやすい一方、流行の洋服は一時期しか着ないことも多く、洋服の廃棄が問題となっています。また、食品も大量生産が原因で、まだ食べることができるにも関わらず、廃棄してしまう食品ロスが問題となっています。
中国でも食品ロスが大きなニュースとなり、全国的に削減していこうと運動が展開され始めています。
こうした問題は国を超えて、世界の問題として見直されています。省エネ、環境保護への関心に基づくサービスや商品への価値観の変化が生まれています。
ヨーロッパのセカンダリー・マーケット
一方、古くからセカンダリー市場が盛んだったのがヨーロッパです。「セカンダリー(secondery)」とは「第二の、二番目の、次の」を意味する言葉です。「セカンダリー・マーケット」は消費者同士でなされる中古品の市場のことです。
使い捨てするのではなく、次に使いたい人に継承する。古い建物が数多く残る伝統的な文化や高級ブランドが数多く存在するヨーロッパでは、たとえ人手を経ても価値は維持され、場合によっては新たな付加価値を付けることもあるのです。
日本でも近年、リサイクルマーケットなどが成長しています。次に売ることを考えて購入するといった若者も増えているようです。さらに、コロナ禍で人々の生活様式や優先順位が変化したこともあり、物を選ぶときの価値観が変わってきているといえるではないでしょうか。
SDGs12つくる責任つかう責任
先に述べてきたことに深く関係しているのがSDGs(Sustainable Development Goals:持続可能な開発目標)です。SDGsと聞くと難しく考えがちですが、『飢餓』や『貧困』など遠い途上国の問題だけではありません。
私たち日本人の生活からも取り組めることがあるのです。SDGsは、世界のひとりひとりの課題であり、取り組みの過程で地球上の「誰一人取り残さない」という理念を掲げています。
SDGsは2015年に国連サミットで全会一致で採択され、2030年の達成を目標としています。この目標は17のゴールと169のターゲットがありますが、今回は目標12のゴールである『つくる責任つかう責任』に注目します。
SDGs『つくる責任つかう責任』とは持続可能な生産消費形態を確保することを目的にしています。大量生産で物があふれている日本の社会の中で、限りある資源をどう持続し活用していくのか。日本人の私たちには身近な課題なのです。
そのキーワードになるのがエシカル消費の考え方なのです。
日本の企業もSDGs『つくる責任つかう責任』に取り組んでいる企業もだいぶ増えてきました。今やSDGsを無視した企業は生き残れないとまで言われています。そのようなビジネス業界で、企業も本気で『つくる責任つかう責任』を考え取り組んでいます。
次はあなたが消費者側として、考え選択してみてください。
つくる責任
大量生産はしない受注生産の供給
大量生産・大量消費の現代では、ものを大切にすることを忘れてしまうことがあります。使わなくなったら捨てる。壊れたら新しいものを買う。この現状はSDGsの考えからも見直しが求められています。
目標12のゴールである『つくる責任つかう責任』から考えると、ものを大切にすることは、資源を守る上でとても大事なことです。現在では様々なリサイクル方法が研究され、世の中のエコ意識も高まっています。
企業の生産体制も量産型から受注生産を選択することで、大量生産によるロスをなくすことにつながるのです。
業種によっては難しいこともあるでしょうが、生産ロスを減らす取り組みはどの企業にも求められています。量産型生産も今後はAIの活用で、より需要と供給のバランスがとれる社会になると予測されています。
受注生産に話を戻しますが、造船や高級家具では昔から行われていた生産体制です。お客様へのメリットとしては、カスタマイズが可能になります。
住宅で考えるとわかりやすいのですが、注文住宅では間取りや内装を選ぶことができますが、建売住宅ではできません。
家具であれば材質やサイズや布や革といった張地なども注文時に指定することができ、少し時間はかかりますが、自分にとっての特別仕様なものが手元に届きます。
自分にとって特別仕様なものは大切に長く使いたいと手にする消費者にも想いが生まれ、生産者からも大切に長く使ってほしいという思いが詰まっています。
つかうからには育てる。植林歴21年の社有林
カンディハウスのものづくりは、 そんなつくり手の思いが詰まっています。カンディハウスは北海道の旭川市に工場があります。北海道の健やかな大地と樹木があって初めて成り立ちます。
できるだけ環境に負荷をかけないこと。そして使う人の健康を考え続けることが、私たちのスタンダードです。
旭川市は昔から良質なミズナラが取れ、全国でも有数な家具の産地でした。
カンディハウスは旭川市で最も大きな家具メーカーとして、社有林での植林活動を毎年行ってきました。その活動も今年で21 年目を迎えています。
これまで植林したミズナラ苗木の本数は5万本を超えており、今後も永続的に行っていきます。木を切って家具を作っているのですから森を育てて将来へつなぐのは当たり前のことです。
天然資源を原料にしていることもあり、 早くからエネルギー面や廃棄面に着目し、環境負荷の少ないものづくりに努力してきました。
今後も国の規制に対応するだけでなく、先進的な改善を心がけ積極的に取り組んでいきます。
北海道産材広葉樹をつかう理由
北海道の美しい森が、カンディハウスの原点です。できる限り北海道の木を使い、一本一本を生かしきって、長く使えるよりよい生活の道具をつくる。
私たちのものづくりの基準は、いつも森に正直であることです。
北海道旭川市は家具の産地で有名ですが、特にミズナラが多く、優れた家具づくりの材料として使われていました。
この優れたナラ材を使って世界に誇る家具を作りたい。創業者の長原 實の熱き想いと職人技、高いデザイン性で成長してきました。
創業者の想いも伝承し、我々は国産材にこだわり、北海道産材広葉樹で家具をつくる活動をしています。
一時期はすべて輸入材のナラ材を使っていましたが、現在は北海道産材広葉樹のナラ材・タモ材を使用した製品を増やして生産しています。
地元の森の間伐材を活用し、使った木資源を植林し循環させるサスティナブル(持続可能)な企業活動をしています。
つかう責任
買って、使って、古くなったら捨てて、新しいものを買う。誰もがそうして、いままで暮らしてきたけれど
古くなったら直して、また使うほうがもっとしあわせです。
そこには、たくさんの時間や愛着を毎日呼吸してきたものにしかない心地よさが、あると思うのです。
北海道・旭川の森のそばでカンディハウスがつくるのは、そんな、「ずっと使うしあわせ」を届けられる家具。
ですからどうぞ、少し時間をかけても心から好きと思えるものを手にしてください。
古びてきたら、私たちが手入れをします。行き場がなくなればお引き取りすることもできます。
こうして使い手との気持ちのよい関係が続いていくことが、私たちつくり手の願いなのです。
張替え・修理の考え方
お使いいただくうちに生じた木部の傷や塗装の剥がれ、色褪せ、また椅子張地の擦り切れやソファーの弾力低下などは、製造会社であるカンディハウスが責任を持って修理します。
家族とともに過ごした時間や思い出を残し、新品にはない深い味わいをお約束します。
家具の循環、ヴィンテージ
カンディハウスの理念「長く愛される家具づくり」をもとにユーズド製品を修理・再生して販売するヴィンテージショップが、オンラインショップ内にオープンしました。新品にはない特有の風合いある木製家具となります。
「カンディハウスオンラインショップ」では、カンディハウスが1970~93年に販売した「Hock(ホック)」ブランドをはじめ、旧ブランドのユーズド製品を修理・再生して「ヴィンテージ家具」として販売しています。
一度お使いいただいた家具は、手をかけて補修することにより、新品にはない木製家具特有の風合いが出てきます。エコであることに加え、同等クラスの新品に比べリーズナブルな価格帯も魅力です。また、お客さまに廃棄の手間と費用をおかけすることなく、部材を再利用したり、レストア後ヴィンテージ家具として再販売するなど、何代も使い継ぐ体制を整えています。
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