少子高齢化が進む現在の日本、このようなご時世で取り巻く家族構成、環境において快適なスタイルとはどのようなものなのか?
令和の時代に突如発生した新型コロナウィルスとの付き合い方、おうち時間の快適な過ごし方について一歩踏み込んで考えてみる。
家具って必要?
とうとつですが、みなさんはこれまでに家具について深く考えたことがありますでしょうか?普段何気なく使用している家具、人それぞれではあるものの、チェアーにテーブル、ソファーやチェストなど実は身近なくらしの道具なのにあまり気に留められていないのではないでしょうか?実はいろいろな家具がみなさんの生活をサポート、もしくは快適性に一役買っているのです。
家具を買うタイミングとは
人生の中で家具の購入を検討されるときはどのようなときでしょうか?実はあまり多くないという方が多数だと思われます。よくお聞きするきっかけとしまして、ご結婚、ご新築、マンションの取得、転勤、就職、進学など多岐に渡ります。これらの動機は人生の中で数えてもやはり多くはありません。なかでも、進学や就職での一人暮らしでは、必要最低限もしくは購入をされないというケースが多く目立ちます。
家具の古くは消耗品という感覚?
家具の歴史は欧米と比べるとまだ浅く、古くは日本の江戸時代にはすでにヨーロッパではダイニングテーブルやチェアーなどが使用されていたと言われております。日本では戦後の高度経済成長の波に乗り、いろいろなものが大量に生産され消費されるという時代がありました。ではそのような時代背景の中で家具というカテゴリーはどうだったのでしょうか。
とりわけ昭和の結婚の際には「嫁入り道具」という言葉が一般的なほどに箪笥や食器棚などを嫁ぎ先にともに持っていくという行動が一般的でした。日本のある地方では荷台が透明なトラックに嫁入り道具である家具を目いっぱい詰め込んで、嫁ぐという風習も存在していました。この時代の家具は良質な材料を贅沢に使用しているものも多く、実はあまり安価ではありませんでした。どちらかといえば質の良いこれらの家具は消耗品というよりは長くつかえる良いもの、資産に近い存在であったのかもしれません。
では、平成、令和と時代が移り変わってきた現在はどうでしょう。まず当時と現在を比較する前に私たちの暮らす住居の大きな変化が影響を及ぼしています。
現在の住居は戸建て、マンションにとらわれず、和風から洋風へと大きく変化しています。たとえば、昭和の時代には当たり前であった和室や畳の部屋がなくなり、さらには寝室もしくは洋室の多くにはウォークインクローゼットが一般的となりました。とりわけ首都圏や大都市では地価の高騰なども影響し、部屋の大きさも縮小傾向にあり、狭小住宅なども大きく増加しました。このような大きな変化の影響を受け、箪笥や食器棚といった、ごく身近な家具たちの需要が姿を消していくキッカケとなっていったのです。
安物家具と高級品は何が違う
前段でも述べたように、我々の暮らしを取り巻く住宅の変化を起点としてきた事実は間違いありませんが、さらに大きな影響を与えたもの、それは海外から流入してきたリーズナブルな家具たちの存在です。これら安価な家具が市場に溢れるようになり日本の産地は大きなダメージを被ることとなっていきます。では実際、安価な家具はどうなのでしょうか?それこそ、いまから20年近く前はよく「安かろう、悪かろう」という評判があったのは事実であります、しかし昨今は北欧の洗練されたデザインを武器に安価でありながら、耐久性もひと昔前に比べると大きく向上しています。
一生ものの家具とのおつきあい
安価な家具でもすぐに壊れることはなく、使い方によっては長く使える物もあり取り分け、学生や一人暮らしの方々の支持が強い傾向にあります。また、みなさんが暮らしている地域にもこれらをメイン商材としている家具店、およびホームセンターなどがありませんでしょうか。絨毯(ラグ)、寝具などをまとめて取り扱うホームファニシング店が多く存在しています。
では高級品はどうでしょう。そもそも単純に安物とは何が違うのか、高級品は高価すぎるといった声をよく耳にします。大きな違いとしてはデザイン(洗練さ)や材料、手のかけ方(製造・加工方法)などがあげられます。ただし、これらは見ための比較では判断しづらいケースも多々あります。大きく違いを感じられるのはやはり長年使用されてからではないでしょうか。安価なものは見ために差がなくても、使用して年数が経つと表皮・布、ウレタンの傷み具合や構造に差が出てくるケースが多く、結局は短い期間で買い替えなければならない。
一方、高級品は材料の選定や構造に手間が掛けられており、見ためには分かりにくいが継ぎ手やウレタンの質なども大きく異なる、すなわち高価な分、使用されている資材もそれに見合ったものとなっている。とくに日本は家具の産地を複数要しており、日本人の手先の器用さや、昔ながらの加工技術(宮大工の技法)なども取り入れられていることが多く、質の高いものが市場には存在している。多くのメーカーでは自社製品の木部・塗装修理や張替に対応しているところも少なくない。
一点もののヴィンテージ家具購入時に気を付けたいポイント~個性あるインテリアに。
結論としては、安価だから、高価だからという視点での正解、不正解はないのではないだろうか。安価なものを短い期間で買い替えていくことに価値を置く方もいるかもしれない、一方、高価なものを気に召して長く愛用されることに重きを置く方も一定数存在する。最終的にはオーナーの価値観によるところが大きい。昨今の情勢を考慮すると、家具の材料である木材は限られた資源であることから、良いものをメンテンスして愛用していくという点では地球温暖化に歯止めを掛ける、またはエコロジーの精神に通ずるのではないでしょうか。
自分のくらしに合う家具とは
2020年新型コロナウィルスの発生により、多くの方々が生活スタイルの変化を余儀なくされたのではないでしょうか。リモートワークや休業によるおうち時間の過ごし方など、今までに経験のないことの連続で世間では疲弊感が漂っている。そのような中でよく話題にもなっているおうち時間の過ごし方という点で、いままではなんとなく使用していた家具であったが時間が長くなるにつれ、快適性を求める声やネットで新たな家具を検討される方々が増加傾向にあります。
いままでは会社へ出社することが当たり前であったのに対して、急に部屋で仕事をすることとなって真っ先に考えるのが、部屋のどこで仕事をするかという点ではないでしょうか。ファミリーですと自分の書斎がない、寝室で対応?など個々の住居の問題があるようです。そこで代用されるのがダイニングテーブルです。普段は食事をメインとする場所で長時間に渡り、リモートワークを行ってみると「あまり心地が良くない」という意見が多い。一般的なダイニングテーブルの高さは70cm~71cmと実は事務デスクと高さの面では大差がない。問題はそこではなくチェアーである可能性が高い。
チェアーと一概に言え、実は万人に受けるものは少ない。それはどうしてか、人はそれぞれ身長や座高など体格差があり、人によりチェアーの背が当たる位置が悪いなど感じ方がさまざまなケースがあるからだ。とくに職場で使用されているチェアーは事務チェアーが多く、見ためはさておきダイニングチェアーと少々、使用目的が異なる。ダイニングチェアーもデザインや目的により選択されるものが大きく異なることが多い。例えば食事を終えるとすぐにソファーでくつろぐというスタイルの方は座面の面積の少ないものや、配置やスペースの関係でコンパクトなものを選ぶケースもある。一方、ソファーを持っていない、もしくは食事をしたあとにダイニングに長居する方々も一定数いる。その場合、幅広や座面の張っている面積(ウレタン部分)の多いチェアーを愛用されている場合が多い。すなわち目的が異なることで選択に大きな差が出ているのである。
どちらの場合も正解はないが、リモートワークも併用していくとなると断然、後者のチェアーが疲れにくく、心地よく使えるはずである。また、部屋の広さの関係やソファーを使用しないというケースではダイニングテーブルの高さを65cm~68cmのものと、幅広でゆったりしたチェアー(座面高40cm~43cm程度)との組み合わせがより使いやすい傾向にある。ただし、あくまで使用者の体型等にも関係してくるので是非一度体感してみると良いでしょう。このようなスタイルはリビングダイニング共用タイプ(総称)と言われており、多くはないが各メーカーで扱いがある。このように家具の高さやちょっとした仕様の差で大きく心地が変わるケースがある。少々お高めの家具店に行くと相談に乗ってくれたり、予想だにしていないアドバイスをしてもらえるので一度訪ねてみるとよい。
失敗したくない!選べない!家具の大きさ編~便利アイテムで解決
木製家具がもたらす効果
前項でも述べた通りコロナ禍でおうちの家具を見直されるケースが増えつつあるなか、いまいちど木製家具に目を向けていただきたい。
安価なものから高価なものまで多岐に渡る木製家具、一部安価なものには木目のシート貼りやプリントされたものも存在する、これらを除き、木製家具にはどこかガラスや鉄製にはない、安らぎやぬくもりを感じさせてくれる効果がある。とりわけ肌触りや木の匂いなどにもリラックス効果がある。未知のウイルスや自然災害など頻発する昨今だからこそ、天然木製家具を一度検討されてみてはいかがだろうか。
木育のすすめ… 北海道 旭川家具 編
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