都心にある高級レストランには<素敵>で<おしゃれ>な家具が置かれているお店が多く見られます。
それでは逆に田舎にあるレストランに素敵な家具は不要なのでしょうか?
最近頻繁に聞かれるようになった「地方創生」と地方の飲食店事情を交えて、田舎のレストランにこそ素敵な家具の必要性が
高いことをご説明します。
苦境の飲食業界
新型コロナウィルス感染拡大に関連した企業倒産のニュースが日本を含めた世界中で大きな話題の一つとなっています。
日本国内では、2020年3月あたりから徐々に増加し始めて、6月には100件を超える倒産件数となり、民間金融機関の無利子融資などで多少の歯止めがかかる状況となりました。
2008年のリーマンショック時には世界的な金融危機となり大手の企業倒産が目立ちましたが、今回は中小の飲食業が多くなる状況となり、外国人観光客、いわゆる「インバウンド需要」が減少したことが大きな原因の一つと言われています。
その後国内における外出自粛が長く続き、さらに営業時間の短縮が拍車をかけ、お酒を提供する飲食店が特に大きなダメージを受けました。
東京都の人口は約1,400万人、大阪府は約880万人と世界の大都市部と比較してもこの二都市は突出して過密人口都市であると言われています。
当然そこには巨大なマーケットが存在し、飲食業界もその恩恵は大きいです。
しかし地方ではそうはいきません。人口が少ない飲食店では「リピーター」が重要になります。同じお客さまに何度も足を運んでもらわなければ安定した経営が成り立ちません。
ちなみに「外食費用」に関する面白いデータがあります。
2015年から2017年度にかけて総務省統計局が実施した都市別の外食費用ランキング調査結果を見てみると、トップ10の中に岐阜市や奈良市、高知市など人口が100万人を下回る地方都市が複数ランクインしていたのです。
それら都市に共通する項目を確認すると「共働き世代の多さ」や「3世帯など大勢の家族が同居している」ことなどが挙げられ、昔から「外食」そのものが、一種の娯楽となっていることも理由として注目すべき点でしょう。
ファミリーレストランなど安価で大勢が入りやすい飲食店の利用する機会は多いですが、「特別な日に訪れる場所」として「すし」や「和食」、「中華」などが「外食」に行くお店として利用する人も多いようです。
東京圏(神奈川県、千葉県、埼玉県も含めたエリア)では何年も地方からの人口流入が続き、流出を上回る状態となっていました。それに比例する形で東京圏への企業の本社設立・移転も同じく増加傾向となっていました。ところが2020年の4月以降、この状況に少しずつ変化が起こり始めました。徐々にではありますが東京圏への人口と企業の流入が減少してきたのです。その原因は新型コロナウィルス感染拡大の影響であることは明白でしょう。まず新学期を迎える学生、特に大学生の移住がストップしました。大学ではネットを使用した授業が主体となったため、地方から入学した学生は費用のかかる大学近くの都心部へわざわざ移住する必要がなくなったのです。同じことは社会人にも言え、いわゆる「在宅勤務」が増えてきた最近では、より生活環境の良い地方への移住を模索する人たちが出てきています。また企業の中には本社を都心部から地方へ移転する企業も見られ始めています。新型コロナウィルス感染拡大は人の心理面へも影響を与えています。2020年6月に内閣府から発表された生活意識の変化に関する調査結果では、20代から30代を中心とした若者が他の年代よりも「地方移住への関心が高まった」と回答しており、特に東京圏の中でも23区内の若者にその傾向が多く見られたようです。さまざまな要因で、地方への移住や人口増加がすぐに始まることはないでしょうが、新型コロナウィルス感染拡大が鎮静化した後も「都心部にいる必要性がない」ことに気づいた人たちが今後増加してくれば、都心部から移住されてくる顧客をリピーターとして集客するために、「味」が良いことはもとより、他の要素でも顧客を魅了するなどの工夫が今まで以上に地方の飲食店では必要となってくるのでしょう。
田舎のレストランにこそ素敵な家具をオススメする理由
「田舎」という言葉は、以前であれば都会と比較した地方を差別するような意味合いを含んでいると解釈されたこともありましたが、最近では「田舎の風景」や「田舎暮らし」のように都心部に住む人々から見ると憧れの場所を表現するような言葉として使われてきています。地方にお店を構える飲食店の中には、わざわざ「田舎レストラン」などと名称に利用する店舗も見受けられるようになってきました。「田舎」という言葉は今やポジティブなイメージを喚起する言葉となってきました。しかし当然ながら名称に「田舎」という言葉を入れただけで顧客が増えるわけではありません。それでは顧客を魅了する店づくりとは具体的にどうすればよいのでしょうか?
都心部にあって素敵な雰囲気と言われるお店は提供する食事やサービス、お店の立地(環境)など、さまざまな要素が絡み合って成立しています。在宅勤務も増えることを予想すると、会社のある場所へ出向きその周辺、もしくは近くで家族や恋人と待ち合わせして食事するという「移動先でお店を選ぶ」ことが減少し、イベント的な「わざわざそのお店へ出向く」外食の形態が主流になってくると思われます。そうなると今まで以上に「味」にこだわりながらも、他の要素でも「あそこのお店に行ってみたい」「またあのお店に行こう」といったような気持ちと記憶をお客さまに与えなければなりません。そのための具体的な取り組み方として「素敵な家具」をお店に取り入れることを提案します。
人は五感を使ってさまざまな出来事を記憶します。特に五感の中で「臭覚」は一番長く記憶に残ると言われていますが、他の感覚も同時に使用すると、より強く記憶や印象に残るそうです。この五感の内「臭覚」「味覚」「視覚」は料理で満足させられるとして(あくまでも美味しい料理が提供されることを前提として!)「聴覚」についてはサービスする方の話しかたや言葉遣い、店内の音楽などが該当するでしょうか。では残りの「触覚」はどうやってお客さまへ提供できるでしょうか。その解決策の一つとして「素敵な家具」があると考えます。「優れたデザインであることが家具の本質なのでは?」と、視覚に訴える部分が大切と思われる方も多いでしょう。確かに家具にとってデザインは最も重要な要素の一つであることは間違いなく、優れたデザインの家具は顧客に与える印象やお店の雰囲気をより良いものにするでしょう。しかし家具にはもう一つ、「手触り」や「座った時の感触」といった「触覚」に訴えられることができる要素もあります。来店された顧客が五感すべてで満足して帰られたら、きっとあなたのお店に対する良い記憶は長く残り、リピーターになってくれるきっかけになるのではないでしょうか?
では、具体的にどのような家具がよいのか?
おそらくほとんどのレストランではテーブルクロスを使用していると思われます。食事中の汚れ防止、その後の掃除を考えれば当然かもしれませんが、お客さまへよい印象を残すために、あえてテーブルクロスを外すのはどうでしょうか?例えばダイニングテーブルを無垢材で製作すると、ほとんどの場合は、表面の仕上げにオイル塗装を施します。そのしっとりとした独特の触感はいつまでも触っていたくなるほどです。また無垢材で作られたダイニングテーブルの表面には独特の木目が現れるので、 自然素材としてのよさと高級感を演出してくれます。木材、特に無垢材のダイニングテーブルの表面を隠してしまうのはもったいないです!極力ダイニングテーブルの表面を見せつつ、カラーコーディネトを上手く合わせたランチョンマットを敷くなどすればますますお店の雰囲気が良くなると思います。
冒頭でも述べたように、地方における外食は「特別な日におとずれる場所」として楽しむイベントでもあります。また地方では家族の構成人数も多い場合があり、4人掛けダイニングテーブルでは来店人数に対応できないこともあるでしょう。そのような場合には周囲のダイニングテーブルを移動させて人数分座れる大きさに設えると思います。しかしダイニングテーブルの移動はなかなか大変な作業です。お店のレイアウトも変わってしまうので、折角のよい雰囲気に仕上げた、お店が台無しになってしまう可能性もあります。そこでオススメなのが「伸縮式ダイニングテーブル」です。伸縮式ダイニングテーブルは以前からありましたが、昔は伸縮させる作業が大変で、伸ばすとダイニングテーブルのデザイン性を損なってしまうということが多くありました。しかし最近では非常に簡単に伸縮する機能が備わったものや、伸縮してもデザインが大きく変わらないなど、お店の雰囲気を損なわないダイニングテーブルなども登場しています。また席についた場合に皆が等間隔になる丸テーブルもオススメですし、中には伸縮することで着座できる人数を増やせる機能を持った丸テーブルも登場しています。
椅子ほどデザイン、機能性や価格などによりさまざまな種類が存在する家具は他にはないでしょう。お店が演出したい雰囲気により、おのずと椅子のデザインは決まってくると思います。座り心地についても同様で、通常は「柔らかすぎず、固すぎない」座り心地の椅子を選ぶのが一般的ですが、「自然感をより前面に出したい」または「素材の良さという点を家具でも演出したい」などを考えるのであれば「木座」の椅子を選ぶことも良いでしょう。レストランにとって大切な椅子選びですが、一つオススメしたいのは「肘付き」という機能です。多くのレストランの椅子はお客さまが立ち座りしやすいように「肘なし」の椅子を選ぶことが多いです。しかし椅子に肘がないと人は手(腕)の置き場所がなくなり、食事が来るまでの間や食事の合間にテーブルの上に手や腕を置いてしまいます。そうなると上体が前のめりになるため腰に負担がかかり、結果として長く椅子に座っていることが苦痛になってきます。「居心地の良さ」を体感していただくためにも、レストランの椅子選びには特に気を使いたいところです。
まとめ
「巣ごもり」と言われた外出自粛も少しずつ緩和され、今まで控えていた分、外で食事をする機会は今後とも回復する傾向になることが予想されています。また地方への移住などが増える傾向に比例して、地方における飲食業界間の競争が今まで以上に厳しい状況になるでしょう。レストランであれば当然「料理の良さ」がもっとも重要な差別化となりますが、さらにお客さまの印象に残るお店づくりをしたい!と考えている方にこの文章が参考となれば幸いです。
オススメのダイニングテーブル
TEN ダイニングEXソリッドテーブル
(天板無垢材/ウレタン塗装仕上げ・オイル仕上げが選べます)
マム ダイニング EXテーブル
(丸テーブルでありながら、用途や状況に合わせて伸長できるテーブルです)(ウレタン塗装仕上げ)
オススメのダイニンチェアー
WING LUX LD サイドチェアー
(肘が「セミアーム」のため立ち座りが楽な椅子です)
チャレンジ ダイニング アームチェアー(ソフト)
(シャープなフレームのデザインとソフトな掛け心地が融合した椅子です)
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