パンツ一丁あとは、すべてサブスク化してみよう!

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[目次]

サブスクとは

2000年代の後半から、主にビジネスの分野で「サブスクリプション(subscription)」略して「サブスク」という収益モデルが注目をされています。
サブスクは、「定期購読」・「会費」などの意味となりますが、テレビや新聞、雑誌などでは「定額、使い放題」と報道されることも多いようです。

今までは、「モノ」を購入して永続的に所有権を買い取り故障したら買いなおすという行動を繰り返していました。「モノ」が売れなくなった時代、顧客との関係を見直すためにも新たな収益モデルが必要になりました。そこで登場したのが「サブスクリプション」となります。

サブスクは、買い取りのように「モノ」を所有するのではなく使用する権利を借りる形になります。顧客との関係も契約の期間中はずっと続き、問題があればサポートも受けられます。
不況や節約志向などもあり、「モノ」を所有せずに使用することは、必要な時に必要なものを揃えることができ、不要になったら契約を終了すればよいのでムダがなく合理的です。

企業としても提供するサービスによっては、購入によって顧客との関係がすぐに終わるよりも、利用する権利を貸し出した方が継続的に利益を出すことが出来て、顧客との関係も長期的に続くのでメリットは大きいです。

サブスクは、顧客にとっては「必要な時に必要な期間で利用ができる」・企業としては「継続的な利益と顧客との関係が続く」双方にとってメリットが多大なサービスのため、注目されているのです。

▼購入とサブスクの違い

 購入サブスク
所有権購入者企業
費用購入時支払月額や年額払いなど
サポート一定の期間契約期間中
機能の更新買い替えによってソフトウェアの場合、随時

「サブスク」・「レンタル」・「シェアリング」の違い

さまざまな分野で広がりを見せている「サブスク」・「レンタル」・「シェアリング」この3つのサービスの違いを見ていきます。古くからある「レンタル」2000年代から注目され始めた「サブスク」と「シェアリング」この3つのサービスで、共通する項目は「借りる」という事です。同じサービスのように感じますが下の表のように似たようで違うサービスとなっています。

▼各サービスの違い

  購入サブスクレンタルシェアリング
顧客利用の手続きなし初回のみ都度
支払い1回定額定額従量制
退会なし必要なしなし
所有権所有利用利用共有
更新・変更なし自動 or 変更ありなしあり
保管必要利用している間利用している間利用している間
企業収益・顧客との関係最初のみ継続的利用している間

「サブスク」は解約をしなければ更新が自動のため長い期間(年~月単位)を利用する場合に適していると言えるでしょう。「レンタル」は契約の手続きが都度必要になりますので、必要な時に短期的に借りるのに適しており、シェアリングは従量制のため時間単位で使用するのにメリットが大きいと思われます。これらの違いは「借りる」ものやサービス内容によって変わってくると思います。

サブスクには、どんなサービスがあるか

サブスクは、さまざまなサービスが展開されています。「音楽」・「映画」・「テレビ」・「レンタカー」・「日用品」・「ソフトウェア」・「オンラインストレージ」など、かなり多くのサービスが存在します。「中には、こんなものまでサブスクなのと?」思うものもありますので、それぞれのサービスを確認してみましょう。

「音楽配信編」

「サブスク」を利用したことのある方は、いちばん初めに音楽配信サービスから入った方が多いのではないでしょうか、音楽配信は複数のサービスが展開されており、無料・有料の音楽配信サービスの利用者は無料が1000万人、有料も1000万人と合計2000万人を超えている状況です。2021年末には無料と有料合わせて2300万人を超えると予測されています。その中で、利用者トップがamazonの「Amazon Music」、2位が「Apple Music」、3位が「LINE MUSIC」となっています。

▼主な音楽配信サービス(※2020年10月調べ)

サービス月額料金(税込)楽曲数
Amazon Music Unlimited980円(プライム会員なら780円)6500万曲以上
Apple Music学生480円・個人980円・ファミリ1480円7000万曲以上
LINE MUSIC学生480円・個人980円・ファミリ1480円6500万曲以上

音楽は生活する上でさまざまな「ちから」を私たちに与えてくれます。長距離のドライブで何時間にもおよぶ運転中など、音楽があることで目的地までモチベーションを保てる方もいるでしょう。ほかにトレーニングする時にテンポの早い激しい曲で気分を高揚させモチベーションを上げる方も多いのではないでしょうか。その他にも音楽サブスクは聴き放題ということもあり、今まで自分が知らなかった楽曲と出会えるというメリットもあります。

「動画配信編」

数多くある動画配信は映画、ドラマ、アニメ、バラエティなど、さまざまな見放題の定額サービスを行っていますが、提供しているコンテンツが同じものが多いため競争の激しい分野のサービスでもあります。中には雑誌も読めるサービスなどと複合させて展開しているところもあります。利用は2019年末では1900万を超え2021年の末には2000万人を超えると予測されています。動画配信においてはamazonの「Prime Video」の利用者がダントツに多く、他のサービスがそれを追従している状態のようです。

▼主なビデオ配信サービス(※2020年10月調べ)

 月額料金(税込)作品数
Amazon Prime Video500円非公開
U-NEXT2,189円200,000以上
Hulu1,026円70,000以上
Netflixベーシック 標準(SD画質)880円非公開
dTV550円120,000

動画配信サービスは、休日や余暇を充実して過ごすためのアイテムとして欠かせない存在となってきています。特にコロナ禍になって動画配信サービスを利用し始めた方も多いはずです。

「ファッション編」

週末のデートや遊びに行くときの服、仕事で着るカジュアルな服、その他にバッグやアクセサリーなども定額制で借りるサービスがあります。利用者のライフスタイルに合わせプロのスタイリストがコーディネートしたスタイリングを提供するサービスなどもあります。

・airCloset (エアークローゼット)
スタイリストが、あなたの新しい服との出会いを提供します。最初にスタイルのカルテを作成する手間はかかりますが、利用料金が月4800円なら月3着で1回交換可能、月7800円なら月3着を何度でも交換可能、9300円なら5着まで利用できるサービスを展開しています。

その他のファッション関連では、洋服の定額制と中古販売を組み合わせた「メチャカリ」スーツを貸し出す「着るダケ」や宝石類などは「Sparklebox(スパークルボックス)」やブランドバックを貸し出す「Laxus(ラクサス)」などがあります。

「食料編」

Oisix(オイシックス)
オイシックスには、お客様ごとにカスタマイズして、ご用意した商品を定期的にお届けするサービスの他に、献立付きで提供する「Kit Oisix献立コース」や旬の野菜やおすすめの食材を提供するおいしいもの「おいしいものセレクトコース」、ちいさなお子さまがいる家庭向けの「プレママ&ママコース」、野菜中心に食材とレシピがセットになった「ちゃんとOisixコース」などがあります。

その他には栄養満点の食材、26種類のビタミンやミネラル、たんぱく質、食物繊維がたっぷりのものが届く、「BASE FOOD」やお菓子の分野だと低カロリーの分野が届く「スナックミー」や月1回冷凍された全国から厳選された、おいしいパン屋からパンが届く「パンスク」などがあります。

「住宅編」

そして「衣食住」の最後「住」は一番費用のかかる分野でもあります。ちなみに「賃貸」と「サブスク」のどこか違うのと思われる方もいると思います。賃貸は1つの物件を借る契約をして、期間中はそこに住まなければならない契約事項となります。対してサブスクは、毎月一定額を支払えば、住んでも住まなくても契約的に問題はありません。なおかつサブスクを提供する会社が管理する物件なら、いつでも引っ越しが可能というサービスもあります。多くの人は「マイホーム」を持つことをひとつの夢として、一定の場所に住居を持ち、家や会社を往復する生活をすごしていきますが、社会のデジタル化により、「テレワーク」などが進んでいることもあり、一定の場所に住む必要がなくなって来ているのかもしれません。その証拠に住宅のサブスクを提供している会社が伸び始めているのです。たしかに仕事が「テレワーク」で行えるなら北は北海道から南は沖縄、時には海外でも自由に住むことができ、期間も自分で自由に選べるため「旅をするように暮らす」ことも可能になり「サブスク」は大変な魅力的です。近年では「特定の拠点を持たずに、全国のホテルなどを移動しながら仕事をして暮らす人」を「アドレスホッパー」と呼ぶそうです。

・ADDress(アドレス)
月4万円~ 敷金・礼金・保証金も不要で電気製品や家具も完備され電気代・ガス料金・水道代・ネット回線料金も含み場所は北海道~沖縄まで全国に拠点が整備されています。

その他には200カ所以上の拠点数があるHafH(ハフ)やドミトリータイプで料金が安いXROSS HOUSE(クロスハウス)などがあります。

「日用品編」

「衣食住」は揃いましたが、生活していく中で必要なものと言うと日用品、ティッシュ・トイレットペーパー・洗剤・歯ブラシなど、多岐に渡ります。これら日用品は生活していく中で一定量が必ず消費されるため「サブスク」との相性がよいように思われますが、「歯ブラシ」や「カミソリ」、「シャンプー」など一部の用品はあるものの、すべてそろえることができるサービスが、今のところ海外にしかないようです。ここはサブスクに近いサービスとしてamazonの定期お得便(食料品や日用品など継続的に消費する品物を、好きなペースで定期注文するサービス。)が考えられます。

「家具編」

映画や雑誌に登場するようなおしゃれな部屋に憧れて、部屋の雰囲気をガラリと変えたくても、家具の購入費用は高額になりがちでなかなか替えられないものです。家具は身近で毎日目にするもののため、飽きてしまうということも考えられます。家具を「サブスク」にするといつでも生活スタイルを変更が可能です。次々と勤務地が変わる転勤の多い方などもおすすめです。

Subsclife (サブスクライフ)
月額500円から自由に期間を選んで利用できるサービス。送られてくる家具は、すべて新品が届き、利用期間は3ヵ月~24ヵ月の間で自由に設定可能です。災害の多い地域にもおすすめ、火災、台風、大雨、利用者の不注意で破損させた場合も、修理や新品への交換が保証されています。ここの最大の特徴は、常に新品が送られてくることと、そのあと家具を気に入れば購入が可能なことです。部屋の雰囲気やライフスタイルに合うのか試したあとで購入を検討することが可能です。また、購入の際は定価からすでに支払っている料金を差し引いた金額を支払うだけ購入が可能です。

▼家具をサブスクで提供している会社一覧(※2020年10月調べ)

Subsclife (サブスクライフ)CLAS(クラス)airRoom  (エアルーム)flect(フレクト)STYLICS (スタイリクス)
料金500円~400円~500円~500円~期間によって変動あり
利用期間3~24ヵ月3ヵ月1ヵ月24ヵ月~36ヵ月2~24ヵ月
特徴家具の種類が豊富シンプルなデザインティストが豊富収納家具が豊富家具のコーディネーター相談無料

家具の「サブスク」は、新品が送られて来て、気に入れば購入可能なサービスを戦略的に組み込む企業が多いようです。ソファーなど物流費が高額になるものや、張地などは次の人に貸し出すとなると張替えが必要になりコスト的に合わないものも多いです。一生モノの家具を購入して部屋のスタイルに合わない・サイズ感が合わなかったなど、自分の思い描く理想の部屋にならなければ、非常に困った問題です。今後の家具は「購入」ではなく「試してから購入」する時代になると言えるかもしれません。

「電化製品編」

家電を選ぶ上で、一番重要な部分は性能です。「いざ使ってみたら使い勝手がよくない」などがあっても、冷蔵庫など大型の場合、我慢して使い続けなければいけません。家電も家具とほぼ同じようにサブスクリプションでライフスタイルに合わせて柔軟に対応したいところです。

(例)電化製品と家具を両方扱っている会社が多いです。subsclife (サブスクライフ) (月)TV 1100円~ 冷蔵庫 1320円~ 洗濯機 1650円~

電化製品の場合は、モノによっては「サブスク」より「レンタル」の方がいいものがあります。家電の場合、やはり性能がいちばん気になるところですが、「サブスク」の場合、利用期間中に中身が変わることがありません。「レンタル」の場合なら、その時に一番いいものが借りることができます。例えば、「旅行でカメラが必要」などイベント性のある短期的に利用したいもの「レンタル」を長期的に利用したいものに関しては「サブスク」と切り替えて利用するのがおすすめです。

「自動車編」

自動車の分野では、カーシェアの利用者が多く急成長してきた分野でしたが、コロナ過により衛生面の心配もあり複数人で車をシェアするカーシェアの伸びが、ここにきて鈍化しています。また、古くから言われている「若者たちのクルマ離れ」と近年からよく言われるようになった「若者たちのモノ離れ」があります。この二つを解決するための秘策として「サブスク」が注目されています。そもそも「カーシェア」と「サブスク」の違いは「カーシェア」は予約が埋まっていたら使えない、時間が来たら返さなければいけない。対する「サブスク」は定額を支払っている間は使用したい時は、いつでも使えるのです。ある意味「自分の車」なのです。自動車メーカーも「サブスク」に力を入れて2019年からトヨタの「KINTO ONE(キントワン)」から始まり次々と日産「クリックモビ」、ホンダ「マンスリーオーナー」などのサービスが誕生しました。

▼主な自動車メーカーのサブスク(※2020年10月調べ)

メーカー車種月額
トヨタプリウス51,260円 ~
日産キックス48,400円 ~
ホンダフィット49,800円 ~

自動車の「サブスク」の多くは車の税金や保険料、メンテナンスや車検の費用も含まれているので、手間のかかることが嫌な方にも便利なサービスとなっています。

「美容・理容編」

美容室・理容室などは個人で行っている場所が多いので、中々サブスク化には至らなかった分野でもありました。2020年に入り一部の個人店で行っているお店が増えてきましたが、700以上の美容室でシャンプ・ブロー・ヘアケアーがどこでも通いたい放題のサービス「MEZON」やメンズシェービング通いたい放題の「MONSTER PASS」など、カットを含めたサービスがないのが実情です。

東京のみ展開(理容)
Gentroom メンズのための月額会員制美容室

Gentroomコース 通常1回9,500円 40~50分
(カット・シェービング・フェイシャルケア・眉カット・シャンプ)
全日プラン(月)   14,000円
平日プラン(月)   13,000円
リミテッドプラン(月)   12,000円
(平日11:00 ~17:00までの来店限定)

スタンダートコース 通常1回7,000円 25~35分
(カット・眉カット・シャンプ)
前日プラン(月) 12,000円
平日プラン(月) 11,000円
リミテッドプラン(月)  10,000円
(平日11:00 ~17:00までの来店限定)

特に女性の場合は、カットありの「サブスク」がなかなかありません。先ほど紹介した「MEZON」を利用しながら、カットが必要になった時、髪を切るスタイルになるでしょう。

まとめ 衣食住のサブスク化、生活のすべてをサブスク化すると?

たくさんの「サブスク」を見てきましたが、まずは生活の基本「衣食住」を「サブスク」を利用すると金額はどれくらいになるのか確認をしていきます。ここでは一人暮らしを想定して計算をしていきます。

「衣」着るものに関してはairCloset (エアークローゼット)を利用します。
「ライト」月3着 月1回交換可能(4,800円)・「レギュラー」月3着何度でも交換可能(7,800円)・大きい人向けの「プラスサイズ」月5着(10,800円) 3プランありますが、今回は、「レギュラー」プランを利用します。

現在の「サブスク」化 合計 7,800円

「食」は、Oisix(オイシックス)の「平日まるっとセット」大人2人5日分 5,980円を利用します。一人暮らしを想定しているので1セット10日分になりますので30日分という事で17,940円になります。

現在の「サブスク」化 合計 24,240円

次は「住」一番お金がかかるところです。今回は、1か月の計算をしているので1か月間「サブスク」できる「HafH」を利用します。料金は月82,000円になりました。

現在の「サブスク」化 合計 106,240円

「衣食住」の「サブスク」化は1ヵ月の106,240円 になりました。ただ、これだけでは生きていくことはできても何も楽しみがありません。次に今まで紹介してきたサービスを利用してくと合計がどうなるのか計算していきます。

「音楽配信編」音楽配信は一番人気の      Amazon Music 980 円

「動画配信編」動画配信も一番人気所を選びます。Amazon Prime Video 500円

「家財編」・「電化製品編」今回、利用した「家」のサブスクは家財と家電が付属するので、これらサービスは利用しません。

「日用品編」に関してはAmazon 定期便を利用します。平均の日用品費が男性で1,100円女性が1,600円と言われています。平均を取って1,350円をプラスします。

「自動車」は販売台数の多いトヨタのプリウスを利用することにして51,260円。「美容・理容編」は「Gentroom」のスタンダートコースを利用するとして11,000円となります。さあ、すべてを合計するといくらになるでしょうか。

生活のすべてをサブスク化すると1ヶ月間で171,330円となりました。

「日常生活のサブスク化」が進み、いろいろなサービスが利用できるようになってきましたが、先ほど金額を算出した 月171,330円 あなたはどうみますか、「購入」するのと「利用」するのは果たしてどちらがいいのでしょうか。「モノ」を購入して使用することによって「愛着」と言うのが生まれます。「サブスク」を利用するとせっかく生まれた「愛着」との別れと対面しなければいけません。反対に「サブスク」を利用することによって「モノ」が気に入らなくなれば「交換」ができるという利点もあります。今回のテーマは、生活のすべてを「サブスク」を利用するということでしたが、やはり「愛着を持って長く付き合うモノ」は購入し、一定期間利用したいものを「サブスク」短期的に利用したいものを「レンタル」、短時間利用したいものを「シェア」のように、用途を分けて各サービスを利用していくことが、生活していく上で大切なのかもしれません。

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