ローテーブルの選び方~リビング用と食卓用の違い選択ポイント

アート・文化

身近な存在としてのローテーブル

日本人にとって、ローテーブルは身近なテーブルです。
放送50年を超えた国民的アニメでも、3世代家族が和室でちゃぶ台を囲んで食事するシーンがありますよね。
それだけ日本の家庭のくらしではローテーブルを使った食事スタイルが一般的なスタイルのひとつでした。
洋式のダイニングテーブルと椅子が広まり、和室のない住宅が増えてきた現代、特に都市ではローテーブルでの食事風景というのは減ってきたかもしれません。
しかし、今やローテーブルの活躍は食事のときに限りません。この記事では、日本におけるローテーブルの歴史とくらしに合わせた選び方について紹介します。

日本のローテーブル「ちゃぶ台」の歴史

さて、「ちゃぶ台」はいつ頃からあったのでしょうか?
実はちゃぶ台が生まれたのは意外と古い話ではありません。
ちゃぶ台が人々の生活に広まり始めたのは明治時代の終わりと言われています。
それまでの日本では、家族はひとりひとり自分用の膳(銘々膳)と食器を使って食事をするのが基本でした。
銘々膳には格の違いが表され、身分の高い人は装飾が施された高級な膳を、身分が低い人は質素な膳を使っていました。
平安時代以前は中国から伝わったテーブルを使うこともあったそうですが、同じテーブルにつくことができるのは同じ身分の者のみとされ、上下関係や身分制が厳しい武士の社会となった時代では、ありえないことでした。

明治時代に入り士農工商が廃止され、法律上は四民平等となります。
さらに西洋からさまざまな文化が持ち込まれ、支配階級から西洋式のくらしが広まっていきました。
街中にも西洋料理店やミルクホール、ビアホールなどの飲食店ができ、テーブルを囲むことに対する一般の人々の意識も少しずつ変わっていきます。
そうしたなか、西洋料理店で使われていた丸いテーブルを、畳文化のある日本の住宅に合わせて低くしたものがちゃぶ台になったと言われています。
家族で一つのテーブルを囲んで食事をとることも、ちゃぶ台が持つ折りたたんで収納することができるという機能も、決して広くはなかった当時の一般市民の家には実用的だったのです。

ちゃぶ台の普及率は昭和20年ごろにピークを迎えますが、その後昭和40年代には椅子に座って食事をとるダイニングテーブルの普及率がちゃぶ台を抜き、次第にダイニングテーブルが日本の食事スタイルの主流となっていきました。

ちゃぶ台の写真

現代のくらしにおけるローテーブルとは

現代の住宅では和室のない家が増え、食事をとる場所もローテーブルではなく椅子に座ってダイニングテーブルで、というスタイルの家庭が多くなりました。若い人たちの中には昔ながらのちゃぶ台を見たことがないという人もいるかもしれません。ではローテーブルの出番は減っているのかというと、ちゃぶ台の時代とはまた違った出番が生まれています。今でも和室にはローテーブルが主流ですし、広さが限られる一人暮らしの部屋にとって食事テーブルにも作業台にもなる強い味方です。また、リビングルームではソファーや一人掛けの椅子と一緒に置いて、くつろぎの空間をつくるのに一役買っているのです。

では、そのローテーブルの選び方を、使用シーン別に見ていきましょう。

食卓テーブルとして使うローテーブルの選び方

食卓テーブルは使用人数から大きさと形を選びましょう。一人が座って快適に食事ができるスペースは、一般的に幅60cm×奥行40cmと言われています。そのスペースと人数でおおよそのサイズを考えることができます。座椅子を使いたい場合は椅子の幅とテーブルの脚内寸法も考慮して選ぶと良いでしょう。

テーブルの形は四角形と円形が主な選択肢になると思います。最も大きな違いは視覚的に形が与える印象の違いでしょう。お部屋の中は窓や柱など直線的な形が多いので、四角形はシャープですっきりとした印象で空間に馴染みますし、円形は空間のアクセントとなり柔らかい印象を与えます。

形で使い方も変わります。テーブルを壁につけて使う・同じテーブルを複数つなげて使う可能性がある場合は四角形のテーブルを。テーブルをつなげて置くようなことはない・テーブルを囲むみんなの顔を見ながら食事をしたいという場合には円形のテーブルがおすすめです。

ローテーブルは洋式のダイニングテーブルと比べると椅子が必須ではないため、テーブルを置くだけで食事スペースをつくることができますし、お部屋の面積の中で占めるスペースが少なくて済みます。また、高さが低いので見た目にも圧迫感がありません。

鍋を囲む写真

リビングテーブルとして使うローテーブルの選び方

リビングルームでソファーや一人掛けの椅子と合わせて使うローテーブルは、椅子に対し置く位置によって選ぶサイズや形が異なります。主に椅子の前に置いて使う「センターテーブル」と、横に置いて使う「サイドテーブル」の2タイプについて見てみましょう。

・センターテーブル

ソファーの前に置くなど、リビングの主役級になるローテーテーブルは、あまり小さすぎるとソファーとのバランスが悪くなってしまいますし、座る位置によって手が届かない、ということも起こり得ます。組み合わせるソファー、椅子のサイズ感からテーブルのサイズを決めましょう。ある程度の大きさ、長さが必要になることが多いため天板の形は長方形や楕円形がおすすめです。L字型にソファーを置いてテーブルを囲むようなボリュームのあるリビングセットの場合は、円形や、大きさと高さの違う複数のテーブルを組み合わせるタイプのローテーブルで存在感を持たせるのも素敵です。

リビングローテーブルの写真

・サイドテーブル

ソファーや一人掛けの椅子の横に置いて使うローテーブルは、大きさはあまり必要としません。カップや本などが置けるくらいの大きさがあれば良いでしょう。このテーブルを選ぶときに気をつけたいのは高さです。特に肘掛けがある椅子の横で使うときには、座った状態で手を伸ばしてテーブルの上のものが取れる高さかどうかで使い勝手が大きく変わってきます。事前に組み合わせたときをイメージしておくと安心です。テーブルの脚形状によっては、ソファーの座面に被るように差し込みテーブルをより近くで使うことができる形のものもありますので、使いやすい形を選びましょう。

サイドテーブルの写真

木製テーブルのすすめ

ローテーブルの素材には様々なものがありますが、畳やフローリングのお部屋に合わせるならば落ち着きのある木製のテーブルはいかがでしょうか。多くのちゃぶ台にも使われていたように、木は私たちにとって身近な素材の一つです。独特の温かみがあり、暑い夏でも寒い冬でも触ったときにはちょうどよいぬくもりです。視覚的に色はもちろん、木目の「1/fゆらぎ」によって人に心地よさを与える効果があると言われています。また木の表面にある肉眼では見えない小さな凹凸が光を拡散し反射を弱めるため、眩しさが少なく目が疲れにくいという特徴もあるようです。

ローテーブルは高さが低いので脚元より天板がよく目に入り、お部屋の雰囲気に大きな影響を与えます。木の温かみをより感じられる無垢材のテーブルもおすすめです。

木製テーブルは、万一傷がついても他の素材と比べ修理がしやすく、定期的なメンテナンスを施すことで長く使うことができます。

ちゃぶ台的なじみの日本のローテーブルの写真

いかがでしょうか?日本の家庭にとってなじみの深いローテーブルについて、その歴史と現代のくらしから考える選び方について紹介しました。心地よいくらしのヒントとなれば幸いです。

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